ドイツ近世的権力と土地貴族 [単行本]Ω

目次序章　課題の設定　　　　　一　トクヴィルの独仏貴族比較論とブランデンブルク貴族史研究の伝統　　　　　二　農村社会史研究　　　　　三　近世貴族史研究　　　　　四　課題と分析視角第一部　近世ブランデンブルクの長期的循環過程　第一章　一六世紀における城主＝官職貴族と農場領主制の形成　　はじめに　　第一節　城主＝官職貴族の形成　　　　　一　中世後期の社会秩序混乱と城主　　　　　二　ホーエンツォレルン家統治体制の開始と城主　　　　　三　一六世紀における城主＝官職貴族の形成　　第二節　農場領主制の形成と村落秩序　　　　　一　城主＝官職貴族による領地寡占　　　　　二　領主直営地の拡大と農民農場数の動向　　　　　三　所領裁判令・村落令と村落行政　　　　　四　農民の農場保有権と賦役負担　　第三節　城主＝官職貴族による権力支配　　　　　一　城主＝官職貴族による官職寡占　　　　　二　御領地制度と官職保有　　　　　三　城主＝官職貴族と身分団体　　結びに　第二章　「一七世紀危機」と三十年戦争　　はじめに　　第一節　一六世紀的体制の衰退過程　　　　　一　一七世紀初頭における「宮廷―身分団体」関係の変化制　第四章　御領地財政と農場領主制　　はじめに――近世国家と御領地財政　　第一節　三十年戦争終了前の御領地制度――旧貴族家のパトロネージュと御領地経営の放任　　　　　一　行政組織　　　　　二　金庫・会計制度　　　　　三　御領地経営　　第二節　一七世紀後半の御領地改革――フィナンシエ的行政官登用と請負小作制導入　　　　　一　行政組織　　　　　二　金庫・会計制度　　　　　三　御領地経営　　第三節　一八世紀初頭の御領地改革――官僚制的行政組織成立と総小作制　　　　　一　行政組織　　　　　二　金庫・会計制度　　　　　三　御領地経営　　結びに　第五章　農村税制と農場領主制　　はじめに――絶対主義段階の農村税制　　第一節　租税行政　　第二節　コントリブチオン課税の検討　　　　　一　コントリブチオン改革の課題　　　　　二　コントリブチオン課税の改革　　　　　三　コントリブチオン改革における「租税負担能力」理解　　第三節　コントリブチオンと農場領主制　　　　　一　領主による賦役・貢租免除　　　　　二　領主による租税支払保証（租税代納）　　結びに――コントリブチオンの税制上の位置　　終章　一八世内容紹介本書の主題はブランデンブルク地方の近世的権力と農村社会において、土地貴族が占めた独自の位置を検討しようとすることにある。ポーランド国境にほど近い東エルベ地方に位置するブランデンブルクはベルリン宮廷へ多くの人材を輩出した重要な地域であるとともに、土地貴族の農村経営においても独自性が見られ、封建的でありながらも近代性をうちに胚胎する独自の文化と経済を発展させてきたと著者は見る。ドイツ近世史の通念を破る著者長年の一大研究成果。著者紹介（「BOOK著者紹介情報」より）（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）山崎 彰(ヤマザキ アキラ)１９５７年長野県に生まれる。１９８１年東北大学文学部卒業。１９８６年東北大学文学部助手。１９９０年山形大学人文学部専任講師。山形大学人文学部教授